高 柳 寛 樹

高 柳 寛 樹 たかやなぎ・ひろき

情報社会学者
アロワナパートナーズ株式会社|代表取締役CEO 兼 デジタルアーキテクト
アロワナアドバンストアドバイザリー合同会社|代表社員
株式会社高寿商事/取締役ファウンダー
ガーディアン・アドバイザーズ株式会社|取締役 DXアーキテクト
日本スキー場開発株式会社(東証:6040)|取締役 CDO Chief Digital Officer(最高デジタル責任者)
株式会社リーガル・リテラシー|取締役(社外)
SNOWTECH®︎ SKI Storage Service|共同創業者
立教大学大学院|客員准教授(2022年度まで特任准教授)
立教池袋中学校・高等学校|特別兼任講師
文京学院大学大学院|客員教授
一般社団法人ネットリテラシー検定機構|理事
一般財団法人東京都スキー連盟|理事
スノーリゾートレビュアー
作曲家|編曲家

1976年、東京生まれ。長野県白馬村(指定特別豪雪地帯)在住。
立教大学社会学部社会学科卒業後、同大学院・社会学研究科社会学専攻・博士課程前期課程修了。主な専門はメディア技術決定論、情報産業論、情報社会論、技術経営論など。


ビジネス活動サマリー

学生時代からソフトウェアやクラウドサービスを開発するTECHベンチャーを立ち上げ複数のEXITを経験をしてきた。同時に2000年から米国と日本で主にベンチャー企業への投資を行うファンドを長年経営しており、近年はEdTech、ClimateTech、ResortTech、クロスボーダーコンテンツ、地域不動産の5分野にフォーカスをあてている。

2017年には香港と台湾を中心としたAPACエリアで日本特有のコンテンツをローカライズし展開する無国籍ベンチャー企業を買収するなど、グロース分野においては積極的な活動が続いている。また自身の経営、投資経験を生かした「IT前提経営®️」アドバイザリー(TDMA: Tech Driven Management Advisory)をガーディアン・アドバイザーズなどを通して大手企業の経営者に長年に渡って提供し高い評価を得ている。

また、不動産のAM事業には50年を超える長い経験があり、これまでは東京23区を中心に投資を繰り返してきたが、近年はスノーリゾートレビュアーの経験を活かして国内の観光地域における開発を伴う不動産AM事業に力を入れている。いずれも「IT前提経営®️」の哲学に則り不動産の利用者たる生活者(デジタルネイティブ)の行動様式をしっかり見据えた「適切なテクノロジーの実装による価値化」を中心に取り組んでいる。


主なソフトウェア会社の事例

1995年、大学入学後インターネットに出会い、大学院ではインターネットの技術的根幹を成すTCP/IPの歴史及び技術決定・標準化に関する研究をする一方、実際のITビジネス界にフィールドを求めて入り込む。1997年、大学2年時にソフトウェア開発を主業とする、株式会社ウェブハット・コミュニケーションズを創業。代表取締役社長に就任。創業期は受託開発を中心に活動をするが、2000年頃からBtoBのクラウドサービスを展開。ガラケーを用いたシフト管理サービス JobCommunicator™️、クラウド給与明細電子化の WEB給®️ などを企画しリリース。20年近くに渡りサービス展開をした。また後に株主となるネオジャパン社のグループウェア deskNET’S と双方向同期する desknet’s Sync for smartphones は長期の大ヒットとなる。その他、SKIDATA社(オーストリア)の各種ゲートシステムと連携したクラウド・チケット発券サービスの「QuickGate™️」などもある。


主なソフトウェア会社におけるファイナンス

2004年12月に、ERPパッケージ「奉行シリーズ」で国内最大級シェアの株式会社オービックビジネスコンサルタント(東証1部:4733)とグループウェア「deskNET’S」で国内最大級のシェアを持つ株式会社ネオジャパン(東証M:3921)に、また、2007年には株式会社インプレスホールディングス(東証1部:9479)に対し第三者割当増資を実施。


M&A

主なソフトウェア会社において2006年2月、日本初の検索サイトである「CSJインデックス」を運営していた老舗ベンチャー企業、サイバースペース・ジャパン株式会社と経営統合。社名を株式会社ウェブインパクトとし、代表取締役社長に就任した。2018年には2代目社長に経営権を譲渡するも、2020年にナビタス株式会社(東証JQ:6276)の子会社となってから再度、3代目の代表取締役に復帰し、その後退任した。また自身の投資活動においてはマイノリティー投資だけでなく、近年は重点5領域の海外ベンチャーを買収するなど(後述)積極的に活動をしている。


働き方

一方で、自身が経営に関与する企業において、全社員を対象に「ノマド・ワーキング制度」を導入。この働き方の哲学的背景や実例をまとめた『まったく新しい働き方の実践~「IT前提経営」による「地方創生」~』(ハーベスト社)を2017年3月に、『続・まったく新しい働き方の実践〜なぜ働き方は自由にならないのか。DX未完了社会の病理〜』(ハーベスト社)を2022年3月に上梓している。また、自らも長野県白馬村と東京を拠点にしつつ国内外を「超移動」し、多拠点生活をしながら、会社経営や教鞭を執っており、これをSuperMobility®️と呼んで、IT前提経営®︎ と共に自らの行動原理としている。株式会社リーガル・リテラシーの取締役として「ノマド・ワーキング制度」や「複業」の政策について議論をしている。


投資活動

2000年に米国ニュージャージー州に投資会社を設立。ビジネスとアカデミアを行き来する特殊な人脈によりファインディングしたレイトステージのソフトウェア企業などを中心に投資を繰り返す。その後、投資事業は現在のアロワナパートナーズ株式会社に引き継がれ、現在ではグループを成す他のエンティティと共に、EdTech、ClimateTech、ResortTech、クロスボーダーコンテンツ、地方不動産を重点5領域として積極的に投資を続けている。2000年代前半には米国を中心に活動をしていたホワイトハッカー集団率いるITセキュリティー会社に投資。その後もカナダで同様のバックグラウンドを持つITセキュリティー会社に連続的に投資をしEXITした。同じく2000年代前半には、イスラエル発のリッチコンテンツネット広告のベンチャー企業にもアーリーステージの段階で投資を行った。2015年頃から再度、重点5領域への投資を活性化させ、2017年には香港と台湾を中心としたAPACエリアで日本特有のコンテンツをローカライズし展開する無国籍ベンチャー企業を買収している。


アカデミアでの活動

一方、自らの経験からビジネスとアカデミアの協業関係にも強い関心を持ち産学官連携事業に取り組みながら執筆・講演活動を通じて考えを述べている。02年4月には、第154回・国会・参議院「国民生活・経済に関する調査会~公的規制の緩和および起業促進にあたっての課題~」に実務家として、田坂広志氏(ソフィアバンク代表)、米倉誠一郎氏(一橋大学教授)とともに参考人招致される。

また2002年から、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科で教鞭をとり特任准教授(社会学部メディア社会学科・全学共通科目・兼担)を経て2023年度から客員准教授。情報社会論、情報産業論、メディア論、情報ネットワーク論、スタートアップストラテジー、ビジネスプレゼンテーション、中小企業論、技術経営論などの切り口で、立教大学の他、電気通信大学、フェリス女学院大学、東洋大学、芝浦工業大学、キリロム工科大学(カンボジア)他、地方国立大学等の大学での講義や各種シンポジウムなどで講演も行う。16年度からは立教池袋中学校・高等学校から招聘を受け、より若い世代への情報伝達のため教鞭をとる。東京都新宿区産業振興プラン策定会議委員(了解)、09年4月から慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所研究員(~2013年3月)、22年4月から立教大学大学院ビジネスデザイン研究科附属ビジネスデザイン研究所研究員(現任)、文京学院大学大学院客員教授、公益財団法人全日本スキー連盟専門委員(現任)、公益財団法人髙島科学技術振興財団選考委員(現任)、公益財団法人イノセンシオ夢挑戦財団評議員(現任)他、他公職多数。


IT前提経営®️の提唱者/助言者として

近年はIT前提経営®(Tech Driven Management)の提唱者として企業経営への適切なテクノロジーの導入についての講演や助言に力を入れる一方、カー・インフォマティクスやカー・インフォテイメントについても関連産業からの意見聴取が多い。複数に及ぶTECHベンチャーの経営経験や投資経験を生かし、2016年からはM&AとTECHアドバイザリーの独立系ファームであるガーディアン・アドバイザーズ株式会社にパートナーとして参画。企業への「適切な」テクノロジーの導入を高度に支援・助言するTDMA(Tech Driven Management Advisory)チームを立ち上げて現在に至る。


所属学会

情報通信学会(2001年度・査読委員)、公共政策学会、日本ベンチャー学会、日本メディア学会、日本社会学会、ビジネスクリエーター研究学会、日本マネジメント学会など。


主な著書・論文

近著に『続・まったく新しい働き方の実践〜なぜ働き方は自由にならないのか。DX(Digital Transformation)未完了社会の病理〜』(ハーベスト社)『「IT前提経営」が組織を変える〜デジタルネイティブと共に働く〜』(近代科学社)『まったく新しい働き方の実践~「IT前提経営」による「地方創生」~』(ハーベスト社)『デジタルデザイン&デジタルトランスフォーメーション〜DXとデザイン志向の未来戦略〜』(創成社)(分担執筆)『グローバル・コミュニケーション~キーワードで読み解く生命・文化・社会~』(分担執筆)ミネルヴァ書房『<グローバル化>の社会学~循環するメディアと生命~』(分担執筆)恒星社厚生閣、他。主な単著論文に『メディア産業における根幹技術の決定・採用過程と、それに働く「文化装置」に関する一考:テレビとインターネットの事例を中心に』『メディア技術のイノベーションと社会受容のパターンについての一考~地デジ化がもたらした人文的ディスクールの思考から~』『日本の情報産業を支えるソフトウェア産業におけるベンチャー企業のリスクと成長性の類型化の研究』『ウェブサービスの生態系:“ウェブエコシステム”の分析に関する一考察』『顔認証技術の社会化に伴う社会科学文脈における課題の考察 : 表情認識AI「エモスタ」の発生プロセスと実践を題材として』『メディアの技術決定過程の研究における、「標準化」の類型-「オープン標準」という提案-』Brand-new work style and its practice: Local creation by Tech Driven Management 他多数。

音楽活動(作曲家/編曲家)

4歳の時にエレクトーンをはじめ、6歳からピアノも習いはじめる。同時に、作曲コンクール作品の書き始め、幼少期より創作活動をはじめる。
高校3年の頃から、ゲーム音楽をはじめ、テレビ番組や演劇、アーティストに楽曲を提供したり、クラシック音楽の編曲等も行い、作曲家・編曲家の一面も持つ。2011年12月17日を皮切りに、オカリナ/カリンバ奏者の堀田峰明氏とチャリティーライブを開始し、12年度は、「ハタチ基金」チャリティーコンサート2012を開催。2013年は、志を共にする、一線で活躍中のイベントプロデューサー、音楽監督、舞台監督の協力を得て「ハタチ基金」チャリティーコンサート2013を、12月14日に時事通信ホールで成功させる。2014年からは恵比寿のart cafe Friendsで開催。チャリティーコンサートは2022年で連続12回目となる。2020年から2022年のコロナ禍はPeatix LIVEでオンライン配信を行い、これまでの3倍近い集客に成功した。普段の作曲活動では、人前でピアノを演奏することは皆無だが、このコンサートに限りプレーヤーの一人として舞台に立つ。日本アーティスト協会正会員。2018年には「『ハタチ基金』チャリティーコンサート」のために作曲された楽曲だけで構成される作品集としてCDアルバム『biotope』を、翌年には自身の楽曲集である『biotopeII』をアロワナエンターテイメントから発売。2021年末には初のシングルとなる「A fog of calm」をリリースし、すぐさまApple iTunes Storeのニューエイジミュージック部門(日本)で6位、TuneCoreのトップ10にチャートインした。2022年には久しぶりのボーカル曲である「eternal lands」を、2023年には同じく「cloud and twilight」をリリースしている。

スキー/スノーリゾート活動

学生時代のアルペンスキーに端を発し、現在はバックカントリースキーと基礎スキーを中心に長野県白馬村のHAKUBAVALLEYをベースに北米スキーリゾートや中国の新興スキーリゾートとも往来する。前述の働き方を実践し長野県白馬村に移住し在住。非スノー産業従事者でありながら最低年間50日の滑走日数を目指しておりスノーリゾートレビュアーとしても活動中。SNOWTECH共同創業者で公認上級エバリュエーター。スノーリゾートにおける「IT前提経営®」について関係業界からの意見聴取が多く立教大学大学院(ビジネスデザイン研究科)では「観光地域経済論」などの講義も受け持った。児童スキー研究会(一般財団法人東京都スキー連盟:No.279/理事)所属。2020年からは公益財団法人全日本スキー連盟から委嘱を受け同国際情報委員会の専門委員として組織やサービスのDXの助言を行う。全日本スキー連盟公認スキー指導員(正指導)、全日本スキー連盟公認スキーB級検定員。公益財団法人全日本スキー連盟・教育本部専門委員、一般財団法人東京都スキー連盟・理事。日本スキー場開発株式会社(東証:6040)取締役CDO(最高デジタル責任者)なども務める。

車に関する活動

スポーツカー好き。学生時代は、ポンコツイタリアンスポーツカーを自ら整備しならがら乗り継ぎ、以降、欧州のスポーツカーを中心にEVやPHEVなどを含め実践者として乗り継いでいる。カーマニュファクチュアラーやサプライチェーンにおけるティア1企業のR&D部門からの聴取も多く、ブログ等を通して意見も述べている。特に本業との関係において、インフォテインメント/カーインフォマティクスに関してはユーザビリティの評価に留まらず、「IT前提経営®」の視座からの批評には各方面から定評があると同時に技術経営論の視点から「減損会計」に着目した「負の技術資産」の論評はアカデミアにおいても注目された。

座右の銘

秀才でなく、異端であれ。

好きな単語

偶然性(serendipity) 学際(interdisciplinary)

主要キーワード

ノマド・ワーキング 立教学院 立教大学 社会学 情報社会論 情報産業論 メディア産業論 カー・インフォマティクス 車載インフォテインメント IT前提経営®︎ Tech Driven Management クラウドサービス ソフトウェア 技術経営論 SuperMobility®︎ RBS メディア社会学科 観光地域経済論 スタートアップストラテジー hakubavalley 長野県白馬村


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